企業の発展と永続は、すべての経営者の願いだ。そのために必要なもののひとつが企業理念や経営理念であろう。長寿企業の多くには、世代を超えて受け継がれる明文化された理念がある。シリーズ「不変と革新」パート2は「貫く企業理念」と題し、ここにスポットライトを当てる。
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森六ホールディングス
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[2013年6月6日]
”真面目な挑戦”で350年
「創業時の350年前のことになると、資料は残っていない。ある程度わかるのは100年前からだ」―。森茂取締役相談役がこう話すほど、森六ホールディングスの歴史は長い。1663年に阿波(現在の徳島県)で藍と肥料の干鰯(ほしか)の商いを始め、明治に入ってからは時代の変化に合わせてインド産藍や合成染料もあつかった。戦後は化学品商社から自動車部品の製造へ参入。真面目な挑戦を重ねる同社の気質が、時代に適した変化を続けさせ、今日をつくっている。
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[2013年6月6日]
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セイコーエプソン
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[2013年5月30日]
「創造と挑戦」で世界初次々と
「水は上から流すと障害物があっても下へ流れる。水が流れる方向はぶれない」。セイコーエプソンの碓井稔社長はこう社員に語りかける。社長と社員の経営理念対話会で碓井社長は水の話をする。「経営理念を理解できていれば、社員が進む方向もぶれない」という思いがあるからだ。対話会は経営理念の浸透活動として2009年度から始めた。部門長、部長、課長級を対象にこれまで150回以上開き、2000人近くが参加した。
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[2013年5月30日]
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牧野フライス製作所
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[2013年5月23日]
顧客に寄り添い品質追求
大手工作機械メーカーの一角として創業76年の歴史を持つ牧野フライス製作所。創業当初から脈々と受け継がれてきた理念の一つが「クオリティー・ファースト(品質第一)」だ。 今でこそ日本の工作機械は、世界トップレベルの品質と技術を誇る。ただ、同社の創業期である戦中から終戦直後は欧米製の工作機械が主流。日本製品は「安かろう、悪かろう」との評判が一般的だった。創業者である牧野常造氏の長男で、現在同社を率いる牧野二郎社長は「欧米の品質に匹敵する工作機械を1機種でも多くつくる、という意欲の表れだったのだろう」と、創業者がクオリティー・ファーストという言葉に込めた思いを代弁する。
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[2013年5月23日]
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損保ジャパン
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[2013年5月16日]
統合経ても「顧客第一」
2002年に発足した損保ジャパン。歴史をさかのぼると、1887年に設立された日本で初めての火災保険会社、東京火災保険にたどり着く。社名や会社形態は現在とは大きく異なるが、損保ジャパンの桜田謙悟社長は「創業時代から脈々と受け継がれてきたのが『お客様第一』の精神」と話す。 東京火災保険は火災保険の必要性を説きながら志半ばで病に倒れた松田道之東京府知事の遺志を継いだ商人の柳川清助氏らが設立した。設立の際に抱いた大志はひとつ。「安心という価値を世の中に根付かせたい」というものだ。現在の損保ジャパンを支える企業理念もそこにある。
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[2013年5月16日]
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ナベヤ
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[2013年5月9日]
時流適応、挑戦続ける
1560年の創業以来453年間、鋳物業を守り続けてきたナベヤ(岐阜市)に明文化した企業理念はない。あるのは時代の変化に合わせて常に新たな主力製品を育て、業態を変えてきた遺伝子だ。江戸時代までは朝廷から許可を得た「御鋳物師」として釣り鐘や仏像などを製造してきた。明治時代以降は鍋や釜、戦後は木炭アイロンや家庭用万力、自動車用ジャッキなどを主力としたが、いずれも現在は生産していない。
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[2013年5月9日]
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竹中工務店
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[2013年5月2日]
新入社員 寮生活で伝統継承
神戸市東灘区にある竹中工務店の社員寮「深江竹友寮」。3月末、全国から前年とほぼ同数の総合職新入社員約140人が集まってきた。深江竹友寮はただの社員寮ではない。社会人生活をスタートする1年間、寝食を共にして同社の伝統的精神を引き継ぐための教育寮だ。この全寮制の新入社員教育「新社員研修」は1952年に当時、見習いと呼ばれた新入社員を対象に「見習教育」として始まり、今年で62年目になる。
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[2013年5月2日]
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須藤本家
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[2013年4月25日]
酒造り、寄り道せず本質貫く
平安時代末期の1141年(保延7、永治元)にはすでに酒造りをしていた記録が残る酒造会社の須藤本家(茨城県笠間市)。先祖は茨城県名の発祥地の一つとされる県央の笠間市小原(おはら)周辺を治めていた地方の有力な武家という。武士の血を引き継ぐ家系で1996年の株式会社に移行した後も脈々と守り続けているのは、「寄り道をせずに本業を貫きなさい」という精神だ。
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[2013年4月25日]
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キッコーマン
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[2013年4月18日]
「消費者本位」で食文化発信
「消費者本位」の安全、安心な商品を提供するキッコーマンのモノづくりの精神は創業から不変だ。千葉県野田市周辺の醸造元8社が合同する形で設立した旧野田醤油の最初の合同は1917年(大6)のこと。わが国の諸産業が近代化を目指すなかで生まれたものだった。各家が株式会社化し、大量生産を目指したことは、江戸時代から続く各家の家業だったしょうゆづくりが、食品工業へと生まれ変わるイノベーション(変革)の第一歩だった。
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[2013年4月18日]
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出光興産
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[2013年4月11日]
引き継がれる「人間尊重」
1981年にこの世を去って三十数年。今また、出光興産の創業者、出光佐三氏が脚光を浴びている。火付け役は、作家・百田尚樹氏が佐三氏の半生を描いた小説『海賊とよばれた男』。昨年7月の刊行後、各書店でベストセラーとなり、9日には全国の書店員が選ぶ13年の「本屋大賞」に輝いた。
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[2013年4月11日]
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法政大学大学院教授・久保田章市氏
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[2013年4月4日]
「世間に恥じない経営」
企業の発展と永続は、すべての経営者の願いだ。そのために必要なもののひとつが企業理念や経営理念であろう。長寿企業の多くには、世代を超えて受け継がれる明文化された理念がある。シリーズ「不変と革新」パート2は「貫く企業理念」と題し、ここにスポットライトを当てる。第1回として、長寿経営を専門に研究している法政大学大学院の久保田章市教授に経営理念の持つ意味について聞いた。
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[2013年4月4日]