「不変と革新」

札幌ボデー工業 

HOME > 「不変と革新」 > 札幌ボデー工業 

社会に役立つ車体造る

創業以来、一貫して車体製造に取り組んできた

創業65年

札幌ボデー工業(札幌市西区、堀田彰社長、011・662・2511)は2014年、創業65年を迎えた北国の車体メーカー。創業時から輸入車を消防車や乗り合いのバスに改造したり、軍用ジープに寒冷地に対応させるため、キャビンの製造を行っていた。その取り組みは少なからず、現在の「新しいことに挑戦する、社会に役立つものをつくる」といった企業理念にもつながる。
 
新しいことに挑戦する姿勢から全国初の製品が生まれたのが、1987年。運転席から荷室の間を降りることなく移動できる「セミウォークスルーバン」を開発。物流会社から多くの引き合いが寄せられ、最盛期には「月数百台を生産した」(堀田社長)ヒットになった。
 
社会の役に立つものをつくる。それが北国特有の問題をクリアした車両をつくりあげた。4輪駆動の高規格救急車「トライハート」だ。圧雪、アイスバーンになる北海道の冬の道は危険と隣り合わせ。当時は雪深い地域の救急車も2輪駆動の車両のみでスパイクタイヤも使用禁止に。救急車が雪道で立ち往生して急病人を安全に搬送できなくなる危険性も指摘される中、札幌市の要望で92年に形にした。堀田社長は「『雪道で走れないから』では困る。北国の暮らしに役立つ仕事だった」と述懐する。「これからも、道内で数少ない車体メーカーとして地域のニーズに応えなくてはならない」と、最近は過疎地に暮らす高齢者の日常を支える移動販売車の製造も増えている。
 
堀田社長は新たなことに取り組む姿勢として「常に半歩か、一歩。進み過ぎは良くないが、時代の先を見ることが重要」と指摘する。車体は受注生産が基本だが、生の声を聞くために技術、営業部門の社員が一体で顧客を訪問することを欠かさない。その中で、ユーザーの声がきっかけで新たに製品化したものもある。03年に発売した「運行管理システム」は、車両の移動状況をGPSで確認できるほか、荷室の温度管理、スピード超過など車両の安全管理ができる。新たなシステムの開発にも着手しており、スマートフォンで管理できることを加えた「第三世代システム」を15年夏に発売予定だ。

海外展開

北国で産まれ育った車体メーカーの技術力は海外でも活躍の場を広げようとしている。ディー・ティー・ホールディングス(東京都江東区)とビューテック(愛知県豊田市)が15年4月の操業を目指し、タイに設立した冷凍車製造会社に技術協力する形で参画した。「海外展開の足がかりにしたい。日本の製造技術を世界に役立てたい」(堀田社長)と期待する。

次なる挑戦

今後も「キャビンと荷室がつながった車体をFRP(繊維強化プラスチック)で製造できるのが強み」という特長を生かし、社会のニーズに応える車体製造に取り組む。「車体のデザイン、機能性も高い評価を得ている」と胸を張る。また、それを支える社員は「自らが手がけた車体を街で見ると、社会に役立っていることを実感して次なる挑戦にやりがいを感じている」と好循環が続く。創業半世紀を超え培われた「新しいことに挑戦する、社会に役立つものをつくる」という精神は、今もなお磨かれ続けている。

企業概要

1949年(昭24)、札幌市内で創業。59年に北海道菱和自動車販売(現北海道三菱自動車販売)の車体製造部門として合併。77年、現在の本社所在地である札幌市西区に移り、79年に独立。冷凍車などのトラック、消防車や救急車など特装車の車体製造を手がける。道内では霊柩(きゅう)車として使われるバスの車体製造も扱う。14年3月期の売り上げは約20億8900万円。売上比率は冷凍車が5割、特装車が5割。特装車の8割が本州向け。


ページの上へ