「不変と革新」

ムラコシ精工

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国産・高品質にこだわる

自動車部品事業が軌道に乗り、新規採用も続けた

時代に適応

自動車部品や住宅設備部品を手がけるムラコシ精工は創業96年。戦後、高度経済成長の中で「創造・情熱・挑戦」の精神を掲げ、東京・多摩地区で確固たる事業基盤を築いてきた。国内での高品質なモノづくりに挑戦し続ける。時には大胆な変革で、激変する時代の流れに適応してきた。
 
ムラコシ精工は時代の経済情勢を敏感にとらえて変化し続けてきた。積極的に新規事業に乗りだし、ビジネスを創造してきた。村越政雄社長は「自分で枠を囲いその中にいるほどつまらないことはない。いろいろなことをやれる会社にする」と強調する。
 
戦後、東京都小金井市で、「寄せ集め」とも言える機械と材料でミシン部品の製造を開始。一時は活況を呈したが、60年代半ばのミシン生産の海外移転によりピンチに陥る。そうした中、これからは爆発的に自動車が売れるようになると、自動車部品製造に参入した。
 
ただ、自動車業界は系列の部品メーカーによるサプライチェーンが構築されており、参入が難しい世界。それでも系列でないことを逆手にとり、大手部品メーカーが受けたがらない仕事を自動車各社から受注する戦略を推進。この努力でミシン部品と似ている部品の受注にこぎ着けた。

新たな柱を

また、73年の第一次オイルショックも経営に大打撃を与えた。この際、挑戦したのが自動車部品に次ぐ柱となる事業の育成。当時、独自技術で開発し、特許を取得したのが鬼目ナット。組み立て構造方式の家具で、部材を接合する際に使う金具だ。施工を省力化でき、繰り返し使えることが評価されてヒット商品になった。これが住宅設備部品事業進出の足がかりになった。
 
少子高齢化により、住宅市場は縮小傾向とも見られるが、「一定の生活水準があれば、豊かで充実したライフスタイルのニーズがある」と成長性を見据える。安全でスムーズな動きの戸棚やドアといった利便性や快適性を求める生活様式の変化をとらえて新市場を開拓している。

あきらめず新技術・製品を開発し、新事業を生み出すことでいくつもの難局を乗り越えてきた。時代を捉えて変化する同社だが、「創造・情熱・挑戦」の精神は原動力であり続けている。
 
近年、力を入れているのが太陽光発電事業だ。太陽光発電設備を山梨県の工場と北海道に建設。全社の電気料金は約1億8000万円。これの3分の1に相当する売電収入を上げている。一見すると既存事業と関係ないように思えるが「国内でのモノづくりに徹底的にこだわり、高品質を追求する」ための一手だ。円安による原材料高、電力料金引き上げの負担増を克服し、安価な海外製品に対してコスト競争力を維持しようとしている。

事業を統合

また、08年秋のリーマン・ショック後、自動車部品、住宅設備金具の事業を統合し、財務基盤固めと社内体制の効率化を図った。
経済のグローバル化が進んでも「高品質と国内生産だけは守りたい」と村越社長。創業100年を前に、あらためて情熱を持ち、新たな技術や市場の創造に挑む。

企業概要

1918年、東京大崎で初代社長の村越政右衛門氏が創業。東京都小金井市に移り、さまざまな産業向けネジ製造を手がけて技術を磨いた。戦時は中島飛行機(現富士重工業)向け戦闘機のネジも手がけた。戦後はミシン部品のほか、モータリゼーションの時代を見据えて自動車部品産業に参入し、主力事業に育てた。
住宅産業分野に進出して自動車部品と住宅・家具機能性金具の2社体制に移行。08年秋のリーマン・ショック後の事業再編で両社を合併し、現体制に至る。14年3月期連結は売上高130億円。従業員数452人。


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