「不変と革新」

三社電機製作所

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革新的技術で業界リード

47年にセレン素子の内製化に成功。同素子を用いた整流器を事業化した

過去最高を達成

三社電機製作所は自ら開発・製造するパワー系半導体の技術を中心に、金属表面処理機器、無停電電源装置、映像機器など幅広い産業機器の電源装置を製造する。近年は太陽光発電設備用のパワーコンディショナーや海外向けパワー半導体モジュールが好調で、2014年3月期は売上高約230億円、営業利益率10・7%と過去最高を達成した。四方邦夫社長は自社の事業について「電源機器で創業して以来、まったく変わっていない」と説明する。
 
三社電機は76年に「社会に価値ある製品を」「企業に利益と繁栄を」「社員に幸福と安定を」との経営理念をつくった。四方社長によれば「提携先の松下電器産業(現パナソニック)から影響を受けた」という。一方で、創業時に経営理念を定めてはいないが創業者の幸夫氏は「メーカーとして付加価値を創造し、顧客の喜ぶ製品を作ることで企業と社員の利益を生み出す」と常日頃話していたという。策定した経営理念は、創業から変わらず根付いていた精神も明文化したともいえる。
 
創業は1933年にさかのぼる。四方社長の父の幸夫氏が三社電機製作所を個人開業し、映写機光源用トランスを製造したのが始まりだ。その後、映写機用に交流電流を直流に変換する整流器を開発。当時の映画ブームの追い風を受けて販売を伸ばし、米国のハリウッドでも同社製品が使われていたという。

新しいもの追求

映写機用整流器について四方社長は「父がなぜこの製品を作ったのかはわからないが、当社のすべての製品の原型」という。同製品に始まる電源機器の事業領域は現在に至るまで変わらない。ただ、その技術は常に新しいものを追求してきた。
 
当初、整流器は輸入した高価な真空管を使っていたが、高価で破損しやすい上、劣化して交換が必要になる課題があった。そこで47年に真空管を代替するセレン素子の内製に取り組み、成功させる。さらに、メッキ用や充電用など、他の産業用整流器へと製品分野を広げ、56年に開発した直流アーク溶接機は松下電器産業と業務提携して、造船業界などに販売した。
 
47年にセレン素子の製造に成功したことは半導体事業への参入でもあった。60年代にセレン素子に代わるシリコン制御整流素子「サイリスタ」を開発。電源機器事業を含めた同社の発展の礎をつくった。当時、数千万円という多額の投資を伴った技術導入で、初めは不良品の山を築いたが、社長だった幸夫氏が下した技術重視の判断が現在も経営を支え続けている。

次期社長は技術系

四方社長も「次期社長は技術系」と宣言するほど、技術重視の経営スタンスを明確にしている。大学と連携して炭化ケイ素(SiC)を使った新しいパワー半導体の研究開発に力を注いでおり、「電源機器業界を革新的にリードできる製品をつくること」を目標に掲げる。電源機器という不変の事業領域で革新的な技術を追求する。その姿は創業時から変わらない。

企業概要

1933年に四方幸夫氏が映写光源用トランスの製造で個人創業。映写機用の電源機器である整流器を開発し、中核部品であるパワー半導体の内製も始める。パワー系に特化した半導体製品を中心に金属表面処理機器、電気炉、無停電装置、溶接機のほか太陽光発電用パワーコンディショナーなど産業分野の電源機器を幅広く製造する。滋賀県、岡山県と中国広東省に工場を持つ。3代目の四方邦夫社長は大学と連携して次世代半導体の研究開発にも力を注ぐ。


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