「不変と革新」

白鳥製薬

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誠義感掲げ経営改革

昭和50年頃の千葉工場

カフェイン抽出

白鳥製薬(千葉県習志野市)は、1916年に創業。2年後100周年を迎える。創業者の白鳥與惣左衛門氏が茶葉に注目。カフェインを大量に抽出する手法の確立に挑戦し、実現。カフェインは創業時からの主力製品であり続けているのと同様に、挑戦し続ける姿勢も変わっていない。
 
5代目の白鳥豊社長の挑戦は社内改革だ。副社長だった94年に経営理念として「全役職員、誠義感を心がけ、あたり前のことをあたり前のように実践行動しよう」を掲げた。
 
"正義感"には当て字を使った。「"誠"はお客さま、ステークホルダー、社員同士に対してウソをつかないこと。"義"は、儲かればいい、ではなく、社会貢献できる企業であること。"感"は、周りの人の助けがあってこそ仕事ができることを自覚すること」(豊社長)との意味を込めた。業績も好調な中で、改めて経営理念を策定したのには訳がある。
 
同社は製造した天然カフェイン、合成カフェインを、大手飲料メーカーに販売。競合メーカーの少なさから、取引価格は高く、販売量も多かった。70年代後半には、売り上げ約20億円のうち半分を天然・合成カフェインが占めていた。大手飲料メーカーに守られた"良い時代"だった。
 
豊社長が入社したのは80年。中国メーカーの台頭などでカフェインの取引価格は下がっていたが、大手飲料メーカーからウーロン茶のブレンドを受託したことで業績は順調だった。

新分野への挑戦

しかし入社直後に豊社長は、「このままではいけない」と感じた。大手飲料メーカーについて行けば良いという考え方が定着し、社内にも様々な問題があった。こうしたことを一掃せねば「いずれ淘汰される」との危機感を持った。開発の陣容を厚くし、新分野への挑戦が必要と当時の経営陣に訴え、医薬品原料事業で有機合成を強化するなど時代をとらえた改革に乗り出した。
 
95年にウーロン茶事業でトラブルが発生し、年間20億円分の取引を失うことになった。経営危機ともいえる状況に陥るが、96年に抗がん剤向けの高機能原料が米国FDAの品質管理基準「cGMP」の承認を取得。この原料の販売で危機を脱した。80年代の挑戦の成果があらわれた。

経営理念を唱和

「普通の企業は、トップが変われば新たな文化が生まれる。しかし、100年続く老舗企業だと、なかなか文化も代わりきらないところがある」と豊社長は言う。「だから厳しく言い続けないと、少し緩めるとすぐだめになる」。経営理念を毎週月曜日、社員が唱和し、月初の月曜日には社長自ら唱和するのはそのためだ。
 
さらに10年には、社員自らの手で「クレド(行動規範)」を策定。製造部門におけるヒューマンエラーを減らすのが目的で、これも月曜日に唱和。成果があらわれている。
 
新たな挑戦は、創業時からの製品であるカフェインの見直しだ。産学連携で新たな付加価値をつけようという試みだ。

企業概要

1916年創業。創業者の白鳥與惣左衛門氏は、茶葉に注目し、カフェインを大量に抽出することに成功。カフェインを国産化した会社として知られる。天然カフェインと合成カフェインを製造、大手飲料メーカーなどに販売する一方で、77年に研究所を設立して有機合成技術を強化。医薬品原薬や中間体の受託製造にすそ野を広げ、事業の礎を築いた。最近は抗がん剤向けなどの高機能原料や、液晶などの電子材料のほか、サプリメント事業にも進出している。


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