「不変と革新」

昭和鉄工

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「誠実」社内に息づく

1人で運べる軽さで持ち運びやすい形状のダクタイル鋳鉄製防護柵

「サービス」追加

昭和鉄工は2013年10月、社是を「誠実を造り、誠実を売り、誠実をサービスする」と定めた。創業130周年を迎えたのを機に、7代目の山本駿一社長を中心にまとめた。それまでの社是「誠実を造り、誠実を売る」に、サービスを加えた。
 
旧社是は72年に4代目社長に就任した山本哲夫氏の言葉。「誠実を造り、誠実を売る会社」にすると宣言。78年の創業95周年という節目に打ち出した経営基本方針に「誠実」を盛り込んだ。
 
駿一社長は新しい社是の制定に際し、歴代社長が残した言葉や、その歴史的背景をたどった。そして35年前に制定した「誠実」が、いかに意義深いかを再確認した。
 
それまでの社是を継承しつつ、そこに「サービス」を加えた。製品のユーザーに対する姿勢だけではなく、環境問題や資源問題に対応するという意味を込めた。駿一社長は「製品を末永く安心快適に使用していただけるよう、また当社グループの事業活動と関連するあらゆる関係者や環境に貢献する」と思いを語る。

徹底的にやる

駿一社長は「誠実」を実現する方法として「中途半端ではなく、徹底的にやること」と力を込める。例えば開発では「顧客が何を求めているのか、ニーズを正しくとらえる」。それは「よそで売れているからという考え方ではだめ」だ。それは、売れている商品を研究して開発に生かすこととは違う。ユーザーを知り尽くし、目立たないニーズもくみ取り、形にする。機能が向上しても使う人が不要であれば意味がない。
 
社是には「会社は公器でなければならない」との思いも込めているという。「既につくっている人がいる物を無理してつくるのは良くない」と考え、価格競争を起こすような新規参入はしない。価格競争は企業や従業員を疲弊させると考えている。
 
コミュニケーションも「誠実」が基本。技術の優位性を訴えるためには分かりやすく説明する。いわゆる業界用語を使う時には特に注意が必要。例えば、空調システムに採用している独自の熱交換の仕組みや省エネの具体的メリットについては、十分に伝わっているか見直しを重ねている。

ユーザー第一

最近、社是が反映されていると駿一社長が思った製品は、業務用の自然冷媒ヒートポンプ給湯機(エコキュート)とダクタイル鋳鉄製防護柵。エコキュートは給湯量の違いで選べるシステムなどユーザーの立場を第一に考えた。防護柵は、1人で運べる軽さで持ち運びやすい形状。これが施工のしやすさと高い強度を両立した。
 
社是の見直しを進める中、駿一社長は創業当初から「誠実」は社内に息づいていると気づいたという。関東大震災を契機にボイラやラジエーターに専念。国産ボイラの信頼性を高めるとともに「ボイラの昭和鉄工」と言われるまでになったのは、誠実のたまものと感じている。
 
社是は現在、企業倫理規範とともに書いたカードを作成、全社員が携帯している。

企業概要

1883年(明16)に福岡市で創業した斎藤製作所が発祥。医療用蒸気消毒器を皮切りに熱利用技術と鋳造技術を基礎に暖房装置やラジエーター、ボイラなどを製品化した。戦後は空調機器を製品に加え、熱に関する技術を生かして産業用熱処理装置事業に乗り出す。その製品は液晶表示装置(LCD)や有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)など薄型ディスプレー(FPD)の生産で使われている。製品に橋の欄干や防護柵もある。14年3月期の連結売上高は111億円。


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