「不変と革新」

草野産業

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誠意と積極性で存在感

鋳物用銑鉄の商社として発展を続けてきた

5つの経営理念

2014年4月、草野産業は創業100周年を迎えた。鋳物用の銑鉄を扱う商社として鋳造・鉄工業界に貢献し、現在は鋳造鉄源である鋳物銑をはじめ、スクラップ、炭素材や機械設備、鋼材に土木建材、農業関連まで事業を広げてきた。「誠意をもって事に当たる」「堅実に、そして積極的に進む」「存在価値のあるものとなる」「会社と共にある」「和をもって基とする」の五つが経営理念。草野泰道社長は「この理念を軸に、顧客目線と中小の専門商社の小回りの良さでここまで続けられた」と言い切る。
 
草野社長の祖父、草野惣市氏が福岡県直方市で創業した当初は、実家の精米業を継承するかたわら中古機械や鉄クズ売買を行っていた。その後、故銑や新銑を扱うとともに、本店を門司(北九州市)に移し、倉庫を設けて基礎固めを進めた。


誠実な人柄評価

北九州を軸に多彩な鋳物銑の取扱量を増やすため、惣市氏は自ら鋳物業者と直接交渉した。その際、方言を話し、誠実な惣市氏の人柄が評価され、取扱量は着実に伸びた。営業地域も拡大したという。
 
五つの理念は、この時期の惣市氏の経験や考えをまとめたもの。草野社長の父、泰太郎氏が2代目社長就任時に成文化した。
 
戦後、銑鉄が急騰した際、あえて価格を上げずに販売した。また95年の阪神淡路大震災、11年の東日本大震災。二つの災害は銑鉄やスクラップの供給にも多大な影響を及ぼした。その際、草野産業は率先して全国の取引先と協力し、被災地の顧客に銑鉄とスクラップを供給した。こうした取り組みは「誠意をもって」「和をもって」といった理念を実践したものといえる。

アグリ事業展開

現在の事業展開でも、その根幹に企業理念がある。近年取り組んでいるアグリ事業。花卉(かき)の生産農家に、種を植えて生育させるための土壌となる「ロックウール」を供給している。この素材は主要取引先である新日鉄住金の生産工程で発生する副産物。新日鉄住金は建材向けに供給している。この素材に注目し、応用先を開拓した。農業関連事業への参入に当たり、土壌はもちろん、欧州の種苗メーカーと提携して苗の輸入も開始した。
 
花卉分野での事業展開を選んだのは、「他の農産物は市場が大きく競争相手も多い。花卉は相手も少なく戦えると判断した」(草野社長)のが理由だ。堅実に、そして積極的に存在価値のあるもの」との理念に照らし合わせての参入といえる。
 
草野社長も新事業参入時に意識するのが、「市場を細分化した中でトップランナーになれるのか」ということ。トップとは、企業として生き残るために必要なことであり、顧客に最も誠心誠意接する企業であろうとする姿勢を表しているという。
 
今後も多角化を進めるが、その展開の中でも中核には鉄がある。そして、事業を展開する経営の根底に五つの企業理念があり続ける。

企業概要

鋳物用銑鉄をはじめとする専門商社。1914年(大3)に創業し、鋳物用銑鉄の扱いを始めた。現在では、土木建材やアグリ事業など事業は多岐にわたる。国内の拠点のみならず、大連とジャカルタにも拠点を持ち、海外進出している日系企業に対し、日本と同じサービスの提供を心がけている。正社員数は144人。14年3月期の売上高は約442億円。


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