「不変と革新」

洲本整備機製作所

HOME > 「不変と革新」 > 洲本整備機製作所

社訓が人・モノづくりの基礎

顧客の声を開発に反映させるユーザー訪問

二足のわらじ

洲本整備機製作所は初代の番所五平吉(ばんしょごへきち)氏が1926年(大15)に兵庫県洲本市(淡路島)で創業した「番所商会」を起源とする。創業時は製麺と淡路島で民間第1号となった自動車整備業という"二足のわらじ"を履いていた。現在、地元淡路島を中心に3代目の番所利行社長のもと、約160人が、高圧温水洗浄機の製造販売を手がける同社のほか、自動車教習所、自動車整備工場、携帯電話販売などの企業グループを形成している。
 
番所商会の社訓は「人と謂(い)うものは自分一人では立身出世は出来ない、必ず相手が必要であります。この相手を作るにおいては常に仁義を守り、何事も良心的に行い、物に対しては研究心を持ち、又は清潔整頓をしてこそ、人から愛されなくてはならぬと謂うような立派な人になりましょう(原文)」だ。この言葉が同社の人づくり、モノづくりの基礎となっている。
 
それを象徴するエピソードが66年(昭41)に起きた洗浄機のトラブルへの対応だ。当時はリコールの概念もない時代で問題自体も軽微だったが、初代は「菓子折りを持って顧客先に行き、販売した全部(約2500台)修理しろ」と命じた。これには入社間もなかった番所社長は「何もそこまでもと思った」という。だが、その対応以降、顧客から"正直で信頼できる"と評価され、顧客が新しい顧客を紹介してくれ、社訓を実証した形となった。「この体験は今も忘れられない」と、グループ全員によって朝礼で毎日この社訓が唱和されている。その当時の顧客とは三代目となった今でも親交があり、顧客が顧客を呼ぶ好循環も続くなど、社訓は全社員の心に深く根付いている。


修理もこなす

研究開発にもこの社訓は生かされている。同社の営業マンは、全員がセールスエンジニアで多少なら修理もこなす。販売店に同行して顧客を訪問し、そこで生の声を製品開発に反映させ、多くの製品を生んでいる。52年開発の国産初スチームクリーナーも顧客の声からできたもの。71年開発の熱源を灯油からガスに代えたガス式や、最近では01年開発の深夜電力を利用する省電力式の高圧温水洗浄機もこの成果といえる。「研究心を持ち・・・」との社訓も引き継がれている。

BCPの一環

現在、洲本市の洲本川沿いに位置する本社工場を、同市内陸部の津名工場に移転統合中で6月の稼働を目指している。事業継続計画(BCP)の一環で、浸水による災害リスクの軽減と生産効率の向上が狙いだ。この統合による経費削減と設備導入やレイアウト変更で生産効率は約3割増、生産能力は約4割増を見込む。
 
さらに介護や医療分野に参入することで、現在の売上高約10億円(13年10月期)を15年度に14億円まで拡大することを目指す。ただ、「会社の拡大ではなく、社訓のいう"人から愛される立派な企業になる"のが目標」(番所社長)とする。創業88年でも、歩み続ける方向は変えていない。

企業概要

1926年(大15)に番所商会として創業、52年に国産初の蒸気式洗浄機(スチームクリーナー)を開発した。54年に同社を設立し、70年に現社名に改名した。洗浄機を地球環境改善のパートナーと位置づけ、環境に優しいガス式やまったく火を使わない深夜電力式などクリーンエネルギーを使った高圧温水洗浄機の開発を手がける一方、装置を廃棄する際の無公害化や再利用にも積極的に取り組む。社員は65人(グループ全体160人)で、13年10月期の売上高は約10億円。


ページの上へ