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「三愛の精神」貫き成長

本社に建つ「三愛の精神」を示す像
己を愛し、家庭を愛し、会社を愛す「三愛の精神」。創業以来、スギヤスが掲げる経営理念だ。3代目社長の杉浦安俊社長も「顧客満足度(CS)を高めるには従業員満足度(ES)から」とこの精神を貫く。

強固な労使関係

同社は「ビシャモン」ブランドで知られる自動車整備用リフトと物流機器を中心に事業を展開する。65年の歴史では苦難もあったが「三愛の精神」による強固な労使関係で良品を生み、成長を遂げてきた。
 
創業は1949年。初代社長の杉浦安雄氏が愛知県碧南市で妻らと鋳造会社の納屋を借りて始めた鉄工所がルーツだ。50年代には自動車に潤滑油を注入する工具であるグリースポンプを手がけた。これが自動車整備業界との接点となり、自動車整備用リフトの生産へと発展した。
 
今でこそ「リフトのビシャモン」として業界で首位の存在だが参入時は競合が多く、しかも後発だった。同社を首位に押し上げたのは「リフトの形がある限り永久保証のつもりで作れ」との安雄氏の考えが根底にある。
 
このため他社品より肉厚の部材をあえて採用。この思想は脈々と受け継がれ、壊れにくい製品との評判を確立し、ファンを増やしてきた。


「雇用を守る」

業績は安定成長してきたが、08年のリーマン・ショック後の10年3月期は創業以来初の当期赤字となった。当時の康成社長(現会長)は社員を集め雇用を守ると宣言。減額したが賞与も出した。先が見えない状況だったが、康成会長は「創業者の父は職人気質で、とにかく社員を大切にしていた。内部留保もあったからできた」と振り返る。

11年に起きた東日本大震災では福島工場(福島県鏡石町)が被災。しかし翌日には約半数の社員が出社し、甚大な被害を受けた工場も1カ月で再開にこぎつけた。
 
震災直後に就任した安俊社長はESの重要度を実感。お金を生む生産設備に比べ、遅れていたと全工場の現場トイレを温水式便座に順次、更新。手洗い場もかがまなくても楽な姿勢で手が洗える全自動式に改修した。
 
その後、破砕機などの環境機器や階段昇降機をはじめとする住宅福祉機器分野にも進出している。「事業は1本でも2本でもだめ。5本足のいすは倒れないというのが創業者の口癖だった」(康成会長)。階段昇降機では欧州製の先行品から学びつつ、日本の住宅環境や日本人の体形に合うようアレンジするなど持ち前の創意工夫で特徴ある製品を投入する。まだ事業規模は小さいが康成会長は「今後、必要とされる分野。伸ばしていきたい」と意気込む。

持続的成長へ

14年3月期の自動車整備器事業の売上高は約62億円と、過去2番目の好決算となる見込み。ただ今後、国内市場は縮小する」と13年には搬送機器の需要が高まる東南アジア諸国連合(ASEAN)地域への拡販を見込み、台湾・台中市で新工場を稼働した。一方で日本では新製品開発と高付加価値品生産に力を注ぐ。安俊社長は「国内では新たな価値を生み出す」と持続的成長を目指す。

企業概要

自動車整備用リフトや物流機器、環境機器、住宅福祉機器の4事業を展開する。中でもリフトは台数ベースで国内シェア約60%(同社調べ)とトップメーカー。13年5月には台湾・台中市に従来比3倍の床面積を確保した新工場を稼働した。同工場では量産仕様の手動式荷役搬送機器の増産とともに、日本と海外で販売が伸びている整備用リフトの生産も計画する。14年3月期売上高見込みは96億円。従業員数は約360人。


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