「不変と革新」

羽生田鉄工所

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社員とともに会社も成長

社内溶接コンクールでモノづくりのスキルアップ

創業は1884年

羽生田鉄工所の創業は1884年(明17)。今年130周年を迎える。現在の経営理念は2001年の羽生田豪太社長の就任後に制定した。「就任当初は一つの言葉にまとめきれなかったが、企業としての存在価値や目指す方向を検討する中で、数年かけて経営理念として凝縮していった」(羽生田社長)という。
 
経営理念のキーワードは「選ばれる会社」「高い存在価値」そして「挑戦」だ。「社会に選ばれ、お客さまに選ばれ、地域に選ばれる会社」を目指すとともに「社員にとって、社会にとって高い存在価値を持つ会社」となるよう「未来に向かって挑戦しつづける集団でありたい」と結ぶ。経営理念とともに行動指針も策定。毎月の朝礼で全社員が唱和する。
 
「社員一人ひとりが会社とともに成長していけるように」との言葉も経営理念に盛り込まれている。羽生田社長は「社員とともに会社も成長することが大切」と強調。人材育成に力を入れる。
 
スキルアップの一環として取り組んでいるのが、社内溶接コンクール。ここでの結果を元に、長野県溶接技術コンクールや日本ボイラ協会の全日本ボイラー溶接士コンクールの出場者を決める。これまでに同社からは2人の社員が計3回、技能五輪へ出場した。


選ばれる会社

農機具製造などで創業した同社は、1918年にボイラ製造に参入。63年に圧力容器の製造技術を応用してキノコの高圧殺菌釜の生産をはじめ、現在の主力製品にまで押し上げた。製造技術や品質を追求してきた成果だ。「選ばれる会社」「高い存在価値」は表現は違えども、この当時から貫いてきた精神だ。
 
羽生田社長が就任後に挑戦したのが新市場開拓だ。圧力容器の用途開発の一環で炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を成形するオートクレーブを開発。新たな柱に育てた。大学や研究機関に装置が採用されているほか、レーシングカーの素材開発にも使われている。
 
13年には新規分野として、大深度工事で作業者の高気圧障害などを避ける装置「混合ガスマンロック」を製作した。地下での設備機器設置工事の作業効率を向上できる。筐体の設計製作から配管、制御装置の設計、全体の組み立てまでを長野の本社工場で一貫生産できる強みを生かした。

新たなマーケット

現在、取り組んでいるのが、CFRPのリサイクルと補修技術の研究開発だ。航空機素材が今後、金属から炭素繊維へ急速に移行すると予想されることから、装置メーカーとして新たなマーケットへの参入に向けた検討を進める。すでに国内だけでなく、香港やドイツの航空機産業関連の展示会に出展して、技術力のアピールや情報収集などに取り組んでいる。
 
「社会にも、お客さんにも、地域にも選ばれる会社になるには存在価値が必要。それには高い目標を持って挑戦することが大切」と羽生田社長は強調する。

企業概要

1884年に長野県須坂市に羽生田源治郎氏が設立した柳源鉄工所がルーツ。源治郎氏の養子の羽生田順平氏が1937年に株式会社羽生田鉄工所を設立した。72年に本社工場を長野市に移す。圧力容器の総合エンジニアリングメーカーとして、鉄板の加工から最終製品まで、オールワンストップで自社生産できる。2月に宇宙航空研究開発機構(JAXA)のH2Aロケットで打ち上げた信州大学などによる超小型人工衛星「ぎんれい」のCFRP製側面パネルは、同社のオートクレーブで製作された。


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