「不変と革新」

久原本家グループ本社

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本物の味報われる時代に

創業の地久山町に建つ「レストラン 茅乃舎」。地元の食材を守り食文化を後世に伝える舞台として開業
「お客さまの喜んでる姿をみると、うれしゅうしてたまらんとです」。久原本家グループ本社の河邉哲司社長は顔をほころばせる。同社は1893年(明治26)、福岡県旧久原村にしょうゆ蔵として産声を上げた。現在は、加工調味料や発酵食品などの全国店舗展開や通信販売を行う総合食品メーカーに成長した。

3つのキーワード

企業永続について河邉社長は「本物の味の追求、地方の旗を掲げよ、お客さまには感動を」の三つのキーワードをあげる。原材料にこだわり、熟成に時間を費やす"てまひま"をかけた本物の味、おいしさの追求は、創業時からのこだわりだ。「大手企業と同じ土俵で競争しても勝てるはずがない。生き残るには、いかに差別化をはかり、安心安全な、信頼される商品づくりをするかだ」と力を込める。
 
「地方の旗を掲げよ」とは、今の時代、地方の独自性を個性や特徴として打ち出すべきだという考えだ。1999年に発売した「博多のやきとり屋さんキャベツのうまたれ」は発売当初、大手流通の担当者から「ノンオイルドレッシングと名前を変えて持ってこい」といわれた"逸話"をもつ商品。今では博多の食文化を伝える味とネーミングが、ご当地調味料として全国に広がり成功を収めている。「確かに商品名を変更していたら、その時はすんなり受け入れられたかもしれない。しかし、ロングセラーにはならなかった」とみている。
 
「感動」とは「おもてなし」によってお客さまに感動していただくこと。総務や販売部門が中心となりお客さまの立場に立って、どうおもてなしをすればお客さまに喜んでいただくかを考え実践する。「これからも永続し感動を生み続けたい」という。


時代に合わせて

また、時代に合った飛躍の必要も強調する。同社にとっては、90年に『博多からしめんたいこ』を発売したのを機にブランドとして『椒房庵(しょぼうあん)』を立ち上げたことが「エポックメイキングだった」という。同製品は自社製調味料を使い原料にも味にもこだわった。大きな利益をあげる商品ではないが、根強いファンが生まれた。
 
同ブランドを扱う店舗「久山本店椒房庵」(現久原本家総本店)も開店したことで、店舗経営と通信販売のノウハウを蓄積できた。OEM(相手先ブランド)からも脱却した。これらの経験が後に「茅乃舎」(かやのや)ブランドとして花開き、レストランや店舗の全国展開、通販事業を強化するきっかけとなった。

通販を積極化

通販は今後、最も力を注ぎ込むべき事業だと考えている。「通販という新規事業にチャレンジしたら、脈々と受け継いできたことが、やはり重要だったというところに行き着いた」。通販はダイレクト販売。リピート需要がないと成り立たない。しかし本当に良いものをつくれば、インターネットで全国から注文が舞い込んでくる。「本物の味を追求することで報われる時代が到来した」と河邉社長は目を輝かせる。

企業概要

1893年(明治26)創業。1958年株式会社に。70年代半ばから小袋詰め商品を製造。80年にスープやたれなど加工調味料製造に着手。96年4代目河邉哲司社長が就任。04年久原本家に社名を改称。05年レストラン「茅乃舎」開業。加工調味料や発酵食品が好評で全国でレストランやグローサリー、通信販売などを展開する。13年創業120年を機に機構改革を行い久原本家グループ本社設立。14年度中に海外出店を予定。従業員600人、売上高は13年6月期150億円。


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