「不変と革新」

エステー

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世にない革新的商品作る

2013年5月に都内で開いた社員総決起大会で、全社員約600人が一堂に会した

企業哲学

「世にない商品、暮らしを革新する商品を作る」―。2013年4月に社長に就任した鈴木貴子社長は、エステーの創業時から脈々と受け継がれている企業哲学をこう表現する。創業は戦後間もない1946年。当初はポマードや防虫剤、シーツのりなどの製造販売を手がけた。その後、「お部屋の香水」をコンセプトにした消臭芳香剤「エアーシャルダン」、切らずに使える防虫剤「ネオパラエース」、除湿剤という新たな市場を作るきっかけとなった「ドライペット」などを次々に世に出した。
 
鈴木社長自身、子どものころからエステーの商品に親しんできた。父はエステーを興した鈴木誠一名誉会長。鈴木社長は「父は試作品や新商品ができると得意げに家に持ち帰ってきた。それを家族であれこれ意見を言いながら使っていた」と振り返る。特にドライペットは印象深い商品で、「家に置いておくと面白いように水がたまっていたので、『これだけの湿気から家を守ったんだ』という主婦の満足感、充実感につながると感じた」と話す。


空気をかえよう

企業スローガンは「空気をかえよう」。東日本大震災の際は空間の放射線量を測定する家庭用放射線測定器「エアカウンター」を開発、発売した。当時、性能と価格の両面で一般消費者に手が届く商品がなかったことから、当時社長の鈴木喬会長の考えで即座に商品化した。

07年には北海道の森林整備で大量に出る間伐材のトドマツから採取した「機能性樹木抽出液」の研究を始め、11年9月にグループ企業である日本かおり研究所(東京都新宿区)が森林総合研究所(茨城県つくば市)と共同で抽出液を開発。抽出液には森林浴効果や大気汚染の低減、抗酸化機能などの効果があることが確認され、まさに世にない商品の"種"を得た。
 
商品化も進み、抽出液の「天然樹木水」を使ったアロマ加湿器「モイストペット」を12年9月、消臭芳香剤「消臭力優しい森」を13年2月にそれぞれ発売。抽出液の「天然森林オイル」を使った商品も、車内専用の空気浄化剤「クリアフォレスト クルマ エアコンルーバー用」などとして同年10月に発売した。鈴木社長は「消臭や芳香を超えて、空気をきれいにする新しい市場を創出する」と意気込む。

ワンベクトル

鈴木貴子社長の新体制となったのを機に、海外の駐在員も含めた全社員を東京に集め、社員総決起大会を実施した。「顔を合わしたことがない社員同士もいる。全社員が一枚岩になってワンベクトルで進む必要があった」。改めて理念、方針、戦略を語り、社員と思いを共有した。また、1年かけて策定した「エステー行動規範」を発表。現役社員から、歴代社長、退職者らにインタビューし、五つの項目としてまとめた。社員にはカードにして持たせた。鈴木社長は「社員で唱和し、行動規範に込めた思いを共有できている」と話す。世にない、革新的な商品を生む力が継承されていく。

企業概要

46年に鈴木千蔵氏、誠一氏(現名誉会長)親子がエステー化学工業所を創業した。48年に法人化しエステー化学工業を設立。82年にエステー化学、07年にエステーと社名を変更。家庭向け消臭芳香剤、防虫剤、除湿剤などで高いシェアを占める。特に00年発売の消臭芳香剤「消臭力」は、インパクトあるテレビCMも相まって、シリーズ全体で年間130億円以上を売り上げる同社の代表的なブランドに成長した。現社長の鈴木貴子氏は、誠一氏の3女。13年3月期の連結売上高は469億円。


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