「不変と革新」

サカタのタネ

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信頼蓄積、ブランド向上

世界で初めて開発したオール・ダブルF1品種「ビクトリアス ミックス」
「信頼」「信用」「自然との共生」―。ありふれた言葉のようだが、花や野菜の種苗を開発、生産、販売するサカタのタネは、これらの言葉の重みを感じながら、事業を続けてきた。日本企業が欧米で評価を得るには、信頼の蓄積によるブランド力向上が必要だった。栽培農家からの信頼と信用も守り続けなければいけない。そして、事業にかかわるすべての事が、自然環境の中で行われる。2013年に創業100年を迎えたが、変わらぬ姿勢で事業を成長させている。

目線は常に世界

同社は当初、ユリの球根の欧米輸出が主力事業だったが、創業まもなく第一次世界大戦が始まった。市場で日本産品は受け入れられなくなったため、種子を研究、開発する事業に転換した。「創業直後の苦難によって、現在まで続く道に進んだ。ただ、目線は常に世界を見ていたのは間違いない」(坂田宏社長)。当時の園芸と言えば、主要市場はやはり欧米だったためだ。同社が持つ「グローバル性」は、この当時からの受け継いできたDNAといえる。
 
サカタのタネが認められ、飛躍する転機になったのが、1930年代に世界で初めて開発したオール・ダブル(完全八重咲き)・ペチュニアのF1( 交配でできた1代目=一代雑種)品種「ビクトリアス ミックス」。当時、欧州の宮廷文化に源を持つ園芸の世界で、日本企業の成果は「誰も信用してくれなかった」(同)。しかし、ドイツの種苗大手べナリーの評価を得たことで、状況は一変した。「信用、ブランドがいかに大事かを痛感した」という。ただし「それは長い年月をかけて作り、一瞬のうちに失われることもある」(同)という怖さも感じていた。


まずは品質

社是は「品質・誠実・奉仕」だ。品質は「世界に一つしかないオリジナリティーがあること、生育がそろって良いこと、サポートやフォローがきちんとできるヒトの品質のすべてを指す」(同)。品質を社是の最初に掲げることが同社の姿勢の表れだ。信頼や信用を重視することにも通じている。
 
「ビクトリアス ミックス」を開発した後も、継続的に世界初品種を発表。「単発で終わったらそれまで。継続して良いものを開発している」(同)と、新しいものにも品質を求める。栽培農家をはじめとする同社をとりまく人たちの信用を裏切らないように努力し続けている。

自然相手に挑戦

戦後は、国内市場の重視と生産面でのグローバル化を進めた。1年を通じて種子を安定して採取するには、南北両半球にバランスよく産地を配置することが必要なためだ。「条件を整えた実験室ではなく、自然が相手だから『発芽率100% 』といった完璧さも、『(ロットごとの商品の)全部をF1品種にする』という、ミスゼロの実現も極めて困難だ。だが、いかにそこに近づける努力をするか」(同)。不確実な自然を相手にしながらの挑戦は100年を超えたものの、これからも変わらず続いていく。

企業概要

農商務省の派遣により欧州で園芸を学んだ坂田武雄が、1913年に「坂田農園」を開業したのが始まり。世界で初めて開発したオール・ダブル・F1ペチュニアは、1934年に全米審査会(AAS)銅賞を受賞。欧米で種子開発企業としての地位を確立していった。国内では、メロンの大衆化に貢献した「プリンス」「アンデス」、甘みを長持ちさせるトウモロコシ「ハニーバンタム」などが有名。資本金135億円、従業員639人、13年5月期売上高502億円。


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