「不変と革新」

アズビル

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人中心のオートメーション

2006年に開催された創業100周年の記念行事

発想は同じ

「人間の苦役からの解放」と「人を中心としたオートメーション」。アズビルの創業時と現在それぞれの経営理念だ。表現は異なるが根底にある発想は同じと言える。現在の経営理念は社名にも込められている。長く親しまれていた山武から2012年に社名変更してまで、経営理念の浸透にこだわった。
 
同社の起源は創業者の山口武彦が1906年に起業した機械工具商社「山武商会」だ。山口武彦は高橋是清や安田財閥の創始者安田善次郎に見いだされ、欧米に留学。留学先で機械産業の発展ぶりを目にし、山武商会を創業した。
 
山口武彦が掲げた「人間の苦役からの解放」は、工場などでの単純な作業を機械に任せることで、人間はより創造性、生産性の高い作業に集中できるとの考えを表している。33年にはメーカーに転換し、36年に自動調節弁を開発。現在まで続く計測・制御事業の第一歩となった。曽禰寛純社長は計測・制御に注力したことを「工場、ビル、住宅など幅広い対象に横断的に適用できるため、素晴らしい選択だった」と評価する。

新イメージ発信

アズビルは省エネルギーを切り口にした企業理念を78年以降掲げてきたが、創業100周年の06年に新たな経営理念「人を中心としたオートメーション」を定めた。次の100年に通じるメッセージを発信すること、米ハネウェルとの合弁解消を受けて新しい会社としてのイメージを打ち出すことが狙いだった。
 
経営理念には、工場やビルの制御における効率性を追うだけではなく、そこで働く人々にとって安全、安心で心地よい状態かどうか考える発想が込められている。策定作業に参加していた曽禰社長は「当時あまり言われていなかった概念で、ユニークさがあると思った」と振り返る。
 
新しい経営理念制定に合わせ、グループシンボル「azbil」も導入。オートメーションにより安心・快適・達成感のある場を実現するという造語「オートメーション・ゾーン・ビルダー」の頭文字をとったものだ。この知名度が山武と同等レベルまで高まったため、08年にグループ名をアズビルグループに変更、その後順次グループ各社の社名に採用した。曽禰社長は「経営理念を徹底するという覚悟の現れ」と社名変更に込めた意図を説く。

覚悟の現れ

経営理念は現場に定着しつつある。ビル、工場、生活と3事業に分かれているが、事業をまたいだ連携が増えている。経営理念が共通の横串になり、その実践に必要な連携ができている。新規ビジネスの発想に経営理念が含まれているか問いかける上司もいる。
 
「人間の苦役からの解放」と「人を中心としたオートメーション」。時代背景や技術の進化によって表現は変わったが、創業時の経営理念から大枠は変わっていない。曽禰社長が「会社の未来を考えたとき、創業時を振り返るとヒントがあった」と指摘するように、会社の次の100年を意識した経営理念に、創業時の経営理念が受け継がれている。

企業概要

機械工具商社からメーカーへの転身を経て、ビルや工場の計測・制御を主力事業に。日本の大型建物の7割以上にアズビルの製品が採用されているという。ハネウェルとは1953年に資本提携し、66年には社名を山武ハネウエルに。98年に社名を山武にし、02年には資本関係を解消した。アズビルは経営理念を込めたほか、山武より海外で発音しやすいことも採用の理由の一つだ。06年にグループシンボルとして制定され、08年にグループ名、12年に社名と採用範囲が広がった。


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