「不変と革新」

大森機械工業

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誰もやらない難題に挑む

主力製品「横型ピロー包装機」の「EP 7000シリーズ」
「アイデアは技術を生み、技術はアイデアを生む」―。食品、医薬品などの各種自動包装機械を手がける大森機械工業(埼玉県越谷市)の社内のいたるところに、この言葉が張られている。創業者である大森昌三名誉会長の言葉だ。経営理念や社是として掲げているわけではないが、「いわば大森スピリッツのようなものとして、全社員に浸透している」(大森利夫社長)。ことあるごとに社員に言い聞かせているという。

運命変えた機械

大森機械工業が自動包装機械メーカーとして飛躍した理由が、この言葉に隠されている。
1948年、東京都台東区で創業した。当時の業務内容はオモチャのプレス金型製造だった。しかし自動化機械に関心を抱き続け、プレス型加工の技術を応用して魚肉ソーセージの端をアルミクリップで留める自動結紮(けっさつ)機を開発した。これが同社の運命を変えることになった。
 
54年3月に発生した「第五福竜丸事件」で、太平洋海域で獲れたマグロが消費者から敬遠されるようになっていた。打撃を受けた水産各社が社運をかけて開発したのが、マグロの身を主成分とした魚肉ソーセージ。これを自動で包装する自動結紮機が支持され大ヒット商品となった。大森機械工業は食品機械業界の革命児となった。
 
人のために、誰もつくったことのない機械をつくる。難題にこそ挑戦する―。これこそが同社の原点といえる。さらに大森利夫社長は「これは、社訓として明文化しているわけではないが、絶対に諦めないこと。他社が断るような難しい仕事にこそ挑戦すること。これが大森スピリッツ」と付け加える。

国際社会に貢献

同社は経営理念として「ユーザーに満足される品質の包装システムを開発し、もって国際社会に貢献する」ことも掲げる。その言葉通り、注力するのは海外展開だ。
 
現在、同社は15年度を初年度とする第3次3カ年経営計画を策定中。17年度末の売上高目標に、現状比52%増の350億円を掲げている。その推進力となるのが海外事業だ。94年、中国に合弁会社を設立し、09年12月には欧州への拠点として英国に現地法人を設立した。12年10月には北米へ拠点として、カナダに現地法人を設立した。
 
さらに13年9月、日本政策投資銀行と共同で、インドの包装機械メーカー、マルチパックシステムズ(グジャラート州)にM&Aを実施した。菓子食品用の横ピロー包装機で、インド国内トップシェアを誇る企業だ。さらにアフリカや中近東への販売実績もある。大森機械工業はM&Aを通じ、販売実績の少ないこれらの地域へのネットワークを構築。世界に販路を広げる。

"ホーム"は日本

ただし、拠点はあくまで日本だ。12年、本社工場の隣接地に新工場「さくら工房」を開設。工房と名付けたのは技術へのこだわりから。世界で最も厳しい日本の消費者に育てられた包装機械で、国際社会に貢献する―。大森スピリッツを貫き、新たなステージに漕ぎ出す。

企業概要

1948年にプレス型製造業を創業。53年、大森製作所に組織変更。55年、プレス型製造業のかたわら、業界初の自動結紮機を開発。57年、自動包装機械の製造を目的に、大森機械工業を設立。84年、本社工場を埼玉県越谷市に移転。91年、新潟県長岡市に工場を新設した。12年、本社工場の隣接地に新工場「さくら工房」を開設した。資本金は2億3800万円、従業員は500人。13年5月期売上高は191億円(単体)。


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