「不変と革新」

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「三方よし」原点に行是

いきものにぎわい企業活動コンテストで表彰を受ける大道頭取(右)
滋賀銀行の大道良夫頭取は気がつくと行是を唱和する。週に2、3度はあるという。最初は仕事などで行き詰まった時に唱和していたが、習慣となった。「当行の職員だれもがよりどころにしている」(大道頭取)と、特別なことではないと強調する。

商いで地域貢献

「自分にきびしく 人には親切 社会につくす」という行是は、1966年(昭41)、嶽山貞治郎頭取(当時)によって定められた。近江商人の商道徳である「売り手よし 買い手よし 世間よし」という「三方よし」は有名だ。売り手の都合だけで商いはするな、買い手が心の底から満足し、商いを通じて地域社会の発展に貢献しなければならないとの意味。行是はこの「三方よし」を原点に同行や職員の行動規範として定めた。「近江商人の持つ高い倫理観は、今でいう企業の社会的責任に通じ、時代を超える普遍性を持っている」(同)。
 
同行のルーツは1879年設立の第百卅三(だいひゃくさんじゅうさん)国立銀行と1881年創業の八幡銀行にさかのぼる。この2行が合併し、滋賀銀行が誕生。今年10月1日に創立80周年を迎える。この間、同行と取引先、関連する人・企業が発展し続けてきたのも、「DNAとして行是を守り受け継いできたから」(同)と見ている。
 
07年には、高田紘一前頭取が行是を原点に発展させたCSR憲章(経営理念)を制定。「地域社会、役職員、地球環境との共存共栄」を提唱した。地域社会が健全なら地方銀行も健全、またその逆も真で、共存共栄の関係にあるからだ。「我々が進むべき道をわかりやすく表現した。職員誰もの意識はさらに高くなった」(同)と社内浸透に満足している。言葉は変わっても「三方よし」の精神は脈々と根付く。

共存共栄貫く

大道頭取は08年の就任時1000社以上の取引先らと懇談し、「雨が降れば相合い傘で行きましょう。傘を用意するだけでなく、雨の降る中に踏み出さないでいい方法を一緒に考えましょう」とあいさつ、景気後退など厳しい環境でも共存共栄を貫く覚悟を示した。先駆けて設置した「企業経営支援室」の成果もある。発展を目指す事業計画をともに考える、相合い傘を実行する組織だ。最近では地元の有力建設会社のケースが印象深いという。自力再建に失敗したものの、同行がスポンサー探しなど再建を支援。元経営者からは従業員の雇用継続などで深く感謝されたという。

エコファースト

環境問題への取り組みは重要な企業活動だ。08年に環境大臣に「エコ・ファーストの約束」を提出、金融業界初の「エコ・ファースト企業」に認定されている。さまざまな環境対応型金融商品の提供という、「いわばお金の流れで地球環境を守るというもの」で、11年の「第2回いきものにぎわい企業活動コンテスト」の農林水産大臣賞など評価は高い。職員による外来魚駆除釣りなどボランティア、環境対応型金融商品を活用したニゴロブナ・ワタカ放流事業などが評価された。
 
行員は行是を記したカードを常に携行する。それだけでなく、「日頃の仕事の実践で行是や理念を培っている」と大道頭取は目を細める。

企業概要

1933年(昭8)に百卅三銀行と八幡銀行が合併して誕生した。百卅三は旧彦根藩士の生活支援などを、八幡は新事業創出などの活動支援を狙い商人自らが設立した銀行で、「健全と進取」の精神を汲む。38年の京都進出など早くから積極的に取り組み、現在138店舗を展開。滋賀県内の預貸金シェアはともに約45%。


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