「不変と革新」

パイオラックス

HOME > 「不変と革新」 > パイオラックス

あらゆる素材の「弾性」研究

建設中のインドネシア工場

社名の「パイオラックス」は「パイオニア(先駆者)」「エラスティシティー(弾性)」などからとった造語。1933年(昭8)東京・本所菊川で加藤発條製作所(当時)として創業、横浜に移転後39年には加藤発條を設立して発展し、米国法人で80年代から用いていたパイオラックスブランドを95年に現在の社名にした。「総合的な弾性技術が基盤にある、という思いが込められている。あらゆる素材の弾性を研究していく」(島津幸彦社長)という。

金属も樹脂も

弾性を生活・産業のさまざまな場面に活用する技術を追求する同社は、金属バネ、樹脂バネの両方を製造するメーカーとして世界でも貴重な存在だ。戦後の発展には先ず、電気および通信機器用や自動車用の精密金属バネが貢献した。
 
60年代以降は合成樹脂を用いた樹脂ファスナーの締結部品が自動車用に広く使われ始める。その後形状記憶合金を活用したバネ、弾性技術を応用したカテーテルやガイドワイヤなどの医療機器分野などに事業が拡大する。

世界シェア上位

同社は「(目指すのは)小さな池の大きな魚。小さな池を数多く」(同)と例えるように、大きなマーケットに追随せず、むしろニッチな市場で存在感を示す狙いを持っている。その結果、現在売上高の9割以上を占める自動車関連でも、駆動系の精密バネやファスナーなどでは世界シェアの上位を占めている。
 
また、コア技術を発展させた新規分野へも挑戦している。98年に医療機器分野を分社化したパイオラックスメディカルデバイスでは精密バネと合成樹脂の加工技術に、親水性・抗血栓の特殊表面処理技術を組み合わせた「人に優しい弾性材料」による患部を傷つけないカテーテル、ステントなどを開発・製造している。数年内に売上高50億円を目指し、連結売上高における比率を10%に拡大する。将来的には同20%が目標だ。
 
自動車産業のパラダイムシフトに勝ち残るため海外展開も進めている。グループの海外売上高比率は30%前後だが、同40%の早期達成を狙う。現在北米、中国、東南アジアなど8カ国9生産拠点を展開しているが、新興国を中心に増強を図る。
 
6月に設立したパイオラックスインドネシア(西ジャワ州カラワン県)では来年5月生産開始予定で工場建設が急ピッチで進められている。2輪、4輪車用の樹脂製の燃料系部品などを中心に生産する計画だ。現地からの研修生も近く国内に招く。

コア技術守る

新興国での事業拡大と並行したグローバルでの取引先の多角化により、近く連結売上高500億円を目指すとともに、常に利益確保できるよう体質を強化する。その根本にあるのは「バネ屋でスタートしたわれわれは、やはり弾性というコア技術を守り続けていかなければならないと感じる」(同)というこだわりだ。


ページの上へ