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鋳造一筋結束力で挑戦

社員のアイデアで現場改善

 1916年に創業し、鋳造一筋に歩んできたハイキャスト(東京都板橋区、03・5375・9151)は、4年後に100周年を迎える。2010年に実父の高橋正敏前社長(現会長)からバトンを引き継いだ5代目の高橋健太郎社長は「100年」を通過点と位置付け、その先を視野に入れる。近く自社製品の設計・研究開発に向けたプロジェクトチームを新設し、これからの成長戦略を描こうとしている。“結束力”がこうした挑戦を可能にしている。


合い言葉は「和

 社員数37人の小所帯。代々受け継がれているのは「人を大切にする心」(高橋社長)だ。「和」を合言葉に一体となり、モノづくりに取り組んでいる。砂型を用いた鋳造を通じ、「世界中の働く人に勇気を与える」ことが経営理念。これを実現するための経営方針として「楽しさの追求」を掲げる。
 
 高橋社長は「楽しさといっても楽をするわけではない。思い切った挑戦ができる職場を目指す。そのためには社員同士が仲良しであることは悪いことではない」と言い切る。

遊び心も提案

 活気があふれる職場にするための取り組みの一つが“モノづくりの改善提案”。社員から年300件を超えるアイデアが寄せられる。近年は「遊び心提案」も募集もしている。例えば昨夏、節電対策の一環として羽生工場(埼玉県羽生市)の外壁をゴーヤのグリーンカーテンで覆った。鋳造の現場は3K(きつい、汚い、危険)と言われることが多い。こうしたちょっとした取り組みが、女性社員も活躍できる現場を形づくっている。

 実はいまひとつ浸透しない取り組みもある。それは「お互いをニックネームで呼び合う日」。結束力を強めるための一案だが、高橋社長は「私を『ケンちゃん』とは呼びにくいのだろうか」と苦笑いする。

同志を育てる

 これまでの歴史を振り返ると、協力会社も含めて和を重んじてきたことが事業拡大にもつながっている。45年4月、戦火で焼失した工場を再建した際、取引先各社は建築資材などの調達で協力してくれた。機械部品を納めていたメーカーの事業転換を受けて仕事が縮小した際も、取引先各社が同社の高い品質保証力・納期保証力などを広めてくれたこともあり、新規取引先が増えた。

 15年前、高橋社長が機械メーカーでの修業を経て入社した時、平均年齢は50歳を超えていた。現在は38歳、製造現場に限ると33歳に若返った。高橋社長は5年後、10年後を見据えて会社を成長させる「同志」の育成に力を入れている。そして新卒採用の会社説明会では「一緒に楽しさを追求しよう」と語りかけている。


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