「不変と革新」

第一工業製薬

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京都の地から独創技術

80年代前半まで稼働し東洋一の能力を誇った粉末洗剤の乾燥設備

 日本初の合成洗剤として、一時代を築いた家庭用ウール洗剤「モノゲン」。この製品名を聞いて懐かしさを覚える人も少なくないだろう。第一工業製薬の“稼ぎ頭”として成長をけん引した。現在は工業用薬剤メーカーとして界面活性剤の技術を生かし、幅広い業界に洗剤を含む中間材料を供給している。

工業用にシフト

 第一工業製薬は1909年(明42)に創業し、繊維用薬剤から始めてせっけんや洗剤を手がけた。34年に発売したモノゲンは画期的な製品として話題になり、以後約40年間、収益に貢献した。しかし、競争激化などを受け、80年代前半に家庭用から工業用に軸足を移し、土木・建築用途のウレタン材料、食品向け添加剤などを展開。近年はIT産業の発展に合わせて電機・電子分野に力を入れており、太陽電池用薬剤や導電性ペーストなどを供給している。

積み重ねが力

 坂本隆司副社長は「日本の化学業界は大きな再編がない。小規模でもそれぞれの会社が頑張っている」とする。同社は「品質第一、原価逓減、研究努力」が社訓。研究努力が表すように、技術の研究・開発の積み重ねが原動力となっている。

 例えば主力のせっけんの原料にはマッコウクジラの油を使用していた。79年に捕獲が禁止されたため、ナフサを主とする石油製品原料への切り替えを余儀なくされた。しかし新技術によって対応し、その後も時代の流れに合わせた製品を通じて顧客との関係を築いた。

こたえる、化学

 この10年間はバブル崩壊やリーマン・ショックが響き、業績が伸び悩んだ。このため「事業ごとに利益を生み出す」「企業価値を高める」「設備投資をして成長の土台をつくる」ことを重視して経営している。創業100年目だった09年にスタートした中期経営計画「チェンジ100」。第1期を終了し、12年度は第2期の3カ年計画が始まった。第2期は「技術立社」の方針を明確にしている。グローバル競争に勝ち抜くためにも国内に重点投資し、先端技術を開発する。強みを国内で確立して優位性を確保する戦略。設備投資は3年間で第1期の3倍の120億円の計画。坂本副社長はグローバル化が直接、海外進出だとは考えていないと言い切る。
 
 次の100年に向けて掲げたキャッチフレーズは”こたえる、化学”だ。限られた資源を有効利用するのが化学の力とし、事業の可能性を追求する。京都の地から世界に向けて独創的な技術を発信し、未来を見据えて企業変革に取り組む。


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