「不変と革新」

関彰商事

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顧客の声聞き郷土愛貫く

関彰商事の前身である関彰商店の江名出張所(福島県いわき市昭和年頃)

 「郷土の茨城県とともに成長した」。関彰商事(茨城県筑西市)の関正夫会長はこう言い切る。茨城県を中心に80カ所のガソリンスタンドを運営。赤い帽子をかぶった「セッキーくん」は地域のドライバーになじみのキャラクターだ。自動車や事務機の販売、人材派遣などのグループ16社の連結売上高は約1400億円。経営の根底には常に「郷土愛」がある。

多角化にカジ

 関会長の妻の祖父である関彰(せきあきら)氏が、茨城県西部の下館の豪商、吉田屋から独立して1908年(明41)に創業した。後に日本石油と合併した宝田石油の特約店となり、高度経済成長の波に乗って順調に事業を伸ばした。

 転機を迎えたのは70年代。ファクシミリなどの事務機、ホンダや独メルセデスベンツの自動車、住宅と販売事業の多角化にカジを切った。関会長は「石油販売で信頼を得た地元のお客さんに提供できるモノを探した」と振り返る。新事業の成功が新事業を生んだ。

地域に貢献

 創業以来、社長は3人しかいない。成長期の約50年間を2代目の関会長が担った。「あっという間だった」。関会長は経済団体の会長、公安委員の役職なども務めて地域の顔として重責を果たした。84年に地域貢献の一環で「関彰育英会」を設立し、これまでに約100人を奨学。99年に本社、グループ会社、社員の募金「セキショウふれあい基金」を創設し、地域の社会福祉活動を支援している。この根底には、やはり郷土愛がある。そして06年、息子の関正樹社長に次代を託した。

新たな柱を

 「いい事業に恵まれてきた」。関社長はこの5年間、赤字とは無縁の経営をしている。ただ時代の変化を肌で感じている。売上高の60%以上を占めるガソリンスタンドなどのエネルギー事業は、電気自動車(EV)の普及などを受けて転換期を迎えている。「ガソリン販売だけでなく、ドライバーの役に立つ、真の『サービスステーション』に変わらなければならない」。関社長は意を強くする。ヒントは地域の顧客が持っている。だからこそ「顧客の声に耳を傾ける」(関社長)。

 関社長は3年後に1500億円を目指す中期計画を掲げている。「私の代で経営の柱をもう一本つくりたい」(同)。待ちの姿勢から転じるため、社員ひとり一人の意識改革にも取り組む。

 経営は親から子に変わった。しかし、地域に貢献する会社として、これからも地域とともに成長を続ける姿勢だけは変わらない。つくば市の「フットボールスタジアムつくば」のネーミングライツ権を取得して名付けた「セキショウ・チャレンジスタジアム」。5月上旬、このスタジアムで開かれた「U―11サッカー大会」の会場には、ボールを追う子どもの姿に目を細める関社長がいた。


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