「不変と革新」

岡谷鋼機

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質実剛健の企業風土

早くからグローバル化を進めてきた(タイ現法)

340年の歴史

 1669年に創業し、340年余の歴史を刻んできた老舗鉄鋼商社の岡谷鋼機。名古屋市中区の現本社所在地で農具などを扱う金物屋を構えたのが始まりだ。その後は鉄鋼商社として発展し、今やグローバル企業へと成長を遂げた。

 常に新しい分野に挑戦してきた同社だが、変わらなかったのは「質実剛健、理非曲直の企業風土」(岡谷篤一社長)。名古屋という土地柄から育まれた堅実な企業風土が長きに渡る事業継続を可能にした。

 長く続いた理由の一つは同族経営にある。最近では一部企業の不祥事などを受け、同族経営の弊害が指摘されがちだ。しかし、同社は創業家の求心力をメリットとして会社をまとめてきた。岡谷社長は「創業家でもサラリーマン出身でも経営者としてはみな同じ。国内の大半の企業はオーナー企業で、みな一生懸命やっている」と指摘する。

同族経営の継続

 ただ、後継者の早世など同族経営の継続は簡単ではない。実際、岡谷社長の父も40代半ばという若さで亡くなり、伯父が社長を継いだ。「当社は運が良かった。さまざまなことがあっても同族で(社長が)できる人がいたから続いてこられた」(同)としみじみと語る。

 「オールド・ミーツ・ニュー。」最近、岡谷社長が社内でよく使う言葉だ。常に新しいことに挑戦し、時代の変化に対応しなければ生き残れないという思いを込めている。

 その思いを象徴する部署が「プロジェクト本部」だ。リーマン・ショック後の09年に立ち上げた部署で、新しく取り扱う商品の検討など新規事業の立案を行う。「もっと成果が欲しいところ」(同)と苦笑するが、新しい分野に挑戦するDNAは脈々と受け継がれている。

グローバル化

 グローバル展開も積極的だ。64年の米国進出を皮切りに、現在は中国や東南アジアなどで32社の海外現地法人を展開する。海外売上比率は現在約25%。これを30%に拡大するのが当面の目標だ。また主力の鉄鋼供給だけでなく、海外現地法人が、特殊鋼加工品や樹脂成形品など事業の幅を広げる方針だ。

 グローバル化に対応した人材育成も進めている。入社後に半年間行う新入社員研修では、全体の1割にあたる優秀な社員を対象に「ご褒美」(同)として、3カ月間の海外語学研修に出す制度を11年度に始めた。営業職などの社員にも「もっと海外に行って勉強してこいと言っている」(同)と海外出張の頻度を増やしたり出張対象者の層を広げたりしてグローバル人材を育てる。

 「400年、500年続けるなんて考えたことがないと笑う岡谷社長。質実剛健の老舗鉄鋼商社は、今後も新しい分野に挑戦しながら新しい歴史を刻む。


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