「不変と革新」

鈴廣蒲鉾本店

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天然素材で「本物」作り

本社工場を含む「かまぼこの里」には多くの顧客が訪れる

良いものから

 消費の冷え込みが続く。鈴廣蒲鉾本店の売り上げで大きなウエートを占める年末年始商戦も前年並みにとどまった。しかし「こういう時こそ良いものから売れていく」(鈴木智恵子会長)という手ごたえ通り、天然素材にこだわり、製造技法の革新を重ねた高級品への支持が集まった。

 同社は創業から147年。神奈川・小田原で地元で揚がる豊富な水産物と恵まれた水を生かし、かまぼこを作り続けてきた。同族経営の良さを守りつつ、トップの急逝などの危機を乗り越えてきた。50年前、本社・工場を相模湾沿いから海から離れた国道1号沿線の現在地に移転する際も、親子で激論が交わされた。

 しかし、移転前は年商1億円に満たなかったかまぼこ工場から飛躍し、高度経済成長に歩調を合わせ併設したドライブインも大盛況。かまぼこだけでなくさまざまな土産物も飛ぶように売れた。

品質を重視

 その後、多角的な成長よりも、地元小田原の恵まれた自然と産品をいかした本業のかまぼこの品質へのこだわりを重視した。30年ほど前から添加物を使うこともやめている。これは「ものを食べるということを考えたとき、食品メーカーの役割は食べ物の命をお客さまの命に移し替える手伝いをすること」(鈴木悌介副社長)との信念からだった。

 同社の社是は「老舗にあって老舗にあらず」。これには時代を経ても絶対に変えてはいけないことがある一方、変えなければならないことは勇気をもって変えていこう、という意味が込められている。

基礎研究カギ

 革新に向け同社は、魚肉たんぱく質の基礎研究を進め、商品開発に積極的に生かしている。「自分たちが誇れるのは、魚のたんぱく質のスペシャリストであること」(同)という自負があるからだ。また、製造工程で生じたアラを肥料にして地元農家に提供、収穫した野菜を直営レストランで用いるなど環境面での取り組みも忘れない。

 同社は50年後、100年後も日本人の食生活にかまぼこがキチンとした位置づけにあるように、との使命感を持つ。それは最終的には、「何が大切かといって『本物』を作り続けることが大切」(鈴木会長)という姿勢に帰結する。

▽所在地=神奈川県小田原市風祭245、tel0465・24・3141
▽社長=鈴木博晶社長
▽従業員=665人
▽資本金8000万円
▽売上高=102億6000万円(グループ連結・11年8月期)


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